このブログでは何度か音楽について話をしていますが、敢えて、今、もう一度。
「私は音楽が大好きです。」
その理由は、何度も音楽に救われてきたからです。
バンドマンとして活動していた時期もありました。
音楽が今でも大好きな理由は何度も何度も何度も何度も、くじけそうになった時に救われたからです。
メロディーに救われたり、リズムで足取りを軽くしてもらったり、歌詞に支えられたり。
どんなジャンルが好きかと言われればそりゃJPOPです。
聴く機会が多かったし、日本語しかわからない時代遅れな私ですから。
お勧めのアーティストを紹介するようなおこがましいブログは書きません。
何度も何度も何度も何度も救われた音楽がある。
たくさんの曲じゃなくて、たった一曲の音楽に。
今、何度も音楽に救われたからわかることがある。
今、少し大人になったからこそわかることがある。
今回は「一曲」に込められた想いと価値を伝えたい。
踏み出す一歩がいちいちドラマになる。
私は自分がどんな時に音楽を聴くのか考えてみた。
なんとなく時間がある時。
考え事をしたい時。
コーヒーを飲みながら。
凹んだ時。
失敗した時。
挫折しそうな時。
今の自分と状況や場面ごとに聴く音楽は違う。
失恋した時にあえて失恋ソングを聴いたりする人もいると思う。
逆に無理やりでも気持ちを上げようと、テンションが高い曲を選ぶ人もいるはず。
結局その時聴く音楽は自分で選ぶんだけど、なんとなく聴いた音楽が、なんとなく聴いた歌詞が、なんとなく聴いたリズムが、妙に自分の心情にハマる瞬間がある。
そんな時、その曲に込められた想いが伝わってきたりする。
実際に音楽を聴いて感じるものは人それぞれなのはわかるけど、自分の気持ちと一体化した瞬間、曲に込められた想いみたいなのがじわりと伝わるのです。
作った本人やアーティストの想いとズレているかもしれない。
でもそれでいいんです。
なんか自分なりに共鳴するんです。
その共鳴が心地よくて、勝手に一曲に込められた想いを理解してみる。
立ち上がる勇気をもらったり、力を抜いてみたり、沈んでみたり。
耳から体に沁み込むあの感覚。
それが私が思う一曲に込められた想い。
作り手の気持ちなんて関係ないのです。
音楽はいつも一方的だ。
ライブに行くのなら共有出来るけど、イヤホンから流れて来る音楽はいつも一方的。
だけど、それが、なんとも素晴らしい感覚を生むんです。
踏み出す一歩が、いちいち、ドラマっぽくなる。
自分がまるで世界の中心にいるような感覚になる。
クソ眠い朝でも「まぁ、やるか。」って思えるようになる。
クソみたいな一日でも「まぁ、いっか。」って思えるようになる。
不思議な力がある。
悲しい時に悲しい曲を選べば、流した事もない量の涙が溢れたりする。
悔しい時に挑戦的な曲を選べば、自分でも味わった事がない力がみなぎったりする。
朝起きて、家に帰るまでの間、普通に生活してたら足でリズムを刻む瞬間なんて一度も無いのに、心地いリズムを聴くとなぜか恥ずかしがり屋の私の足が地面を叩く。
自分が知らない自分が目を覚ましたのか、深層心理に触れて本当の自分が目覚めたのか。
良くわからない現象が起こる。
栄養ドリンクを飲むよりもよっぽど効果があったりするんです。
いつもより少しだけ早く走れるんです。
いつもより少しだけ頑張れるんです。
「音楽が無くてもそうしろや!」って思うかもしれないけど、そういうことじゃない。
音楽を聴いたら勝手に体が反応するんです。。
不思議な力があるんです。
一曲に込められたなんらかの想いや、作る過程で込められたなんらかの力が作用するんでしょうか。
「ああ、これは、魔法かもしれないな」ってちょっと思う。
そのくらいの効果が発揮されたりする。
それはそれは自分でも驚く程の不思議な力なんです。
クッションになる。
この世にはたくさんの曲がある。
たくさんの歌詞がある。
たくさんのリズムがある。
そして自分の中にも言葉で表現出来ないことや、ぼんやりと思い描くハッキリしない感情がある。
それがどうにもこうにも伝えられない時、なんとなく聴いていた音楽が助けてくれる。
表に出しきれない言葉や想いをまとめてくれるような感覚。
歌詞だけじゃなくて、気持ちを表すリズムだったり、音階だったりが「あー、そういうことか」とか「あー、そんな言い方もあるな」とか、謎が解けると言うか。
これまで自分の想いをどこかにぶつけるだけだった選択肢に、「音楽を聴く」っていう受け身が増えた。
ネガティブを吐き出す為にぶちまける想いも音楽が吸収してくれる。
ポジティブで溢れそうになる想いを音楽が平坦にしてくれる。
気が付けば自分の感情を上手にコントロールする為のクッションになっていたりする。
その時の感情をコントロールするだけじゃなくて、考え事をしている時も、うまくまとめられる瞬間がある。
ごちゃごちゃになった考えが音楽を聴くことで上手に並べて、上手にしまえるようになる。
色々片付くんです。
優秀なプラットフォームで一曲が活きる。
最近、私達と音楽の距離がすごく近づいた気がする。
まずサブスクリプションの考え方。
月額にすることで、一か所に世の中にある音楽をまとめられるようになった。
それをプラットフォームとして、その中でお気に入りの一曲を検索出来るようにした。
気分で検索したり、アーティストで検索したり、言葉で検索したり。
「今聴きたい一曲」と出会える可能性がグンと上がった。
それを可能にした大きな力がインターネットとスマートフォン。
多くの情報を画面に表示出来るようになったスマートフォンと、常にインターネットに繋がれる状況が、ダウンロードやストリーミング再生を更に便利にした。
だから音楽がより身近な存在になった。
こういったプラットフォームがあるおかげで私達は多くの音楽に出会えるようになった。
これまでの音楽との出会いは、普段の生活の中でテレビやラジオやお店から流れて来る音楽に「お?」っと奇跡的なタイミングが必要だったけど、それが私達から一方的にアクセス出来るようになった。
プロダクションからすればアーティストを宣伝する為に様々な媒体を通す必要も無くなりつつあると思っている。
youtubeやSNSもある。
全てを有効に使って、条件が揃えば多くの人の耳に届けられるようになった。
世界中のアーティストに多くのチャンスが与えられているんだと思う。
誰かがどこかで「良いモノは良い!」って思える音楽に出会える可能性が広がった。
私が学生の頃なんて、ヒットチャートが全てだった。
先に売れなきゃ誰の耳にも届かない状況。
お金を使って広告を打ち出さなきゃ売れない状況。
私達はヒットチャートに載っている音楽から選ぶのがメインだった。
情報が少なかった。
だけど、今はサブスクリプションや動画サイト、SNSがあるおかげでヒットチャートに載らなくても好きな音楽に出会える。
好きなアーティストに出会える。
その分、「一曲に懸ける想い」がものすごく大切になる。
カップリング曲を混ぜ込んだCDなんていらない。
CDなんて売れない。
今必要なのは誰かの心を打つ渾身の一曲。
誰かが最も感動する一曲。
誰かが共感する一曲。
誰かが自然にリズムを刻んでしまうような一曲。
そういった渾身の一曲を作り続ければ、多くの人に聞いてもらえるアーティストになれるんじゃないだろうか。
私達と音楽の距離が近くなった今、求められる音楽の在り方は「流行り」や「有名だから」よりも、ピンポイントで「誰かの心を打つ渾身の一曲」になったと思うんです。
そうなることで私達はもっと音楽が好きになる。
そうなることで私達はもっと音楽を必要とする。
私は、自分が「大好きだ!」と思える一曲と出会えた幸せは、数少ない生きる喜びの「ひとつ」だと思う。
それだけの価値が音楽にはあると思っている。
どうか感想をください。