私が炭水化物の次に好きな食べ物は、人の悪口です。
理由はメシウマだからです。
小さい人間です。
外ではいつも良い顔で過ごします。
帰って妻に愚痴ります。
スッキリします。
今夜も良い夢が見れそうだ。
その繰り返し。
あんまり悪口ばかりだと妻も面白くなさそうなのであれこれとエッジを効かせて悪口を華やかにする術を覚えました。
頭に血が上るとつい言い過ぎてしまいますが、言わないで自分の中に溜めると悪玉菌に変わりそうなので、結局言います。
世の中はな!不平不満で満ちてんだよ!
今回は上手な悪口の使い方とそのメリットについてです。
冷静な毒舌。
あまりにも悪口が言いたくて前のめりになっても、冷静さを失ってはいけない。
誰かに向かって悪口トークを展開したい時、冷静さを欠けば、相手は「こいつヤバっ!」って引きつった顔になるか、反論の恐怖で「わかるわかる」とわからなくてもわかったことにする「こいつめんどくせーなタイム」に突入するだろう。
悪口が言いたいのは誰?
自分でしょ?
基本的に悪口なんて誰も聞きたくないんですよ。
ネガティブな事ばかりだし。
本来は言わなくていいし、「誰とでも支え合いましょうね!」って良い子ちゃん同士の社会では触れてはいけないタブーなんですよ。
パンドラの箱みたいに。
それをぶち破って本人がいないところで悪口を言うつもりなら、「一般的に最低な奴」とされている陰口君になる覚悟も必要だ。
それなのに熱くなって汗をかきながら「わかってくれー!」と言わんばかりに撒き散らしちゃダメだろ。
そんな悪口話を聞いてくれている人に嫌われたらもう吐き出す相手がいなくなって夜な夜な布団の中で小声で呪文や呪いのように悪口を唱える「超ヤバい奴」になるよ。
まずは冷静になれ。
そして相手に直球で悪口と感じさせてはいけない。
さっきも言ったけど、基本的に悪口はネガティブだからね。
楽しいお酒の場でもタイミングによっては一発で沈んだ空気を作れる破壊力バツグンのダイナマイトになる。
だから、「私は毒舌です」なキャラ設定を作ろう。
熱くなるわけでもなく、今日は、「冷静な毒舌君」と思ってもらえば聞いてもらえるし笑ってくれるかもしれない。
悪口なんて結局自分の中に溜まった負のエネルギーなんだからいっそのこと誰かに笑ってもらった方がスッキリするかもしれないし。
「今日は毒舌だねー!」
「すんません。飲み過ぎちゃったかもしんないっす。」
「良いんだよたまにはさー!」
なんて宴会用に作ったキャラになりきって悪口を少しずつお酒に溶かしてみんなに飲んでもらえば少しは気持ちも楽になるかもしれないよ。
悪口だけを真っ直ぐに誰かにぶつけてこられたら、なんか重いっしょ。
そんな重い球受け取りたくない。
ユーモアがある毒舌。
激辛な悪口をどんなにブチまけても、自分が冷静なら周囲が発する空気感もなんとなく掴める。
冷静ならね。
熱くなってると冗談の一つも言えまい。
頭に血が上ってると人は周りが見えなくなるし、多くの事を考えられなくなる。
アメーバ級の単細胞になり、重たい怒りを直球で投げまくる迷惑野郎だ。
まぁ、そうなれば冷静さもないけどね。
そして何より面白くないのです。
怒りをただ普通の悪口にしたってなんも面白くない。
誰も笑わない。
シラケる。
悪口を自然に聞いてもらう為にも、自分が少しでもスッキリする為にも、多少のユーモアはいるだろうに。
悪口としてただ「気持ち悪い顔しやがって!」と言うよりも、「ウーパールーパーがあくびしたような顔しやがって!」と言った方が、伝えたいのは「顔への悪口」なんだけど、表現が非現実的だから悪質と思われなかったりする。
周囲の評判を下げる事なく、体内に溜まった悪口という毒素を外に出せる。
私にとってユーモアは悪質で辛口な悪口をマイルドな口当たりに変えてくれる有難いスパイスなのです。
いつでもユーモアのアクセルを全開にすると根っからのアホだと思われるから、図星過ぎて口に出すと危険な香りがする悪口にだけユーモアを追加する。
クソほど面白くなくて、センスのカケラも無いトンチンカンな真面目君には出来ないかもしれないけど、チャレンジしないと一生「ユーモアの無い奴」でいることになる。
せっかく体に溜め込んだ悪口があるならチャレンジしてみるといい。
下手くそでもトンチンカン過ぎて逆に笑える天性のお笑いの持ち主かもしれないぞ。
人の才能がいつ開花するかなんて誰にもわからないんだから。
溜まった毒は無理せず吐き出せ。
世の中にはいろんな人がいる。
私のように悪口をブュッフェ形式で提供し続ける人もいれば、この世で最も貴重な食材を仕入れて本当に大事なお客様にしか提供しない人もいる。
どんな出し方でもいいじゃないか。
体に溜め込んだ悪口は毒です。
私の見解では、あれは毒。
日々の生活の中で溜め込んだ「なんだこいつー!」はすぐにその場で言えなかったりするんですよ。
私は小心者だし争い事も好きじゃない。
その場で言えなかった「なんだこいつー!」っていう怒りをテイクアウトする機会が多々あります。
それを吐き出せずに眠れない夜を過ごしたこともある。
溜めて溜めて溜めて、爆発して、身近な人に迷惑をかけたこともある。
その迷惑は多くの人の気分を悪くさせる。
言わなくても良い暴言を吐いたり、伝えきれずに暴れたり、まるで子供のように感情がコントロール出来なくなる。
毒なんです。
だから少しも体に溜めたくない。
そう思って冷静に吐き出してみたり、時にはユーモアを混ぜて吐き出すんです。
それが出来なくて、苦しい思いをしている人はきっといる。
そんな人に限って無理矢理自分に「悪口を言えば自分に返ってくる」とか「全然気にならない」と言って我慢してしまう。
悪口って自分の評判を下げたり、誰かをネガティブにしてしまう毒ですからね。
それがわかっているからこそ我慢してしまう人もいるんです。
めちゃめちゃ偉い。
正直、偉過ぎて、心配です。
だって誰かから受けた毒を溜め込むだけ溜め込んで出せないって、超ストレスでしょ。
外からは見えないけど、実は毒を持っている人になる。
まるでフグ。
フグ料理って美味しいじゃないですか。
高級料理に含まれるし、絶品じゃないですか。
でも奴には危険な毒がある。
フグは資格を持った人しか捌けない。
そのくらい危険な毒なんです。
でもね、フグの体にどうして毒があるか知ってますか?
実は毒素を外に出せないだけなんです。
消化できない毒素を体に溜め込んでしまうだけ。
つまり、生まれたばかりのフグに毒はない。
生きていく中で徐々に毒を溜めていく。
身は美しく、とても美味しいし、魅力的な高級料理食材です。
でも毒。
私だって生まれたばかりはこの世に言いたい事などひとつもなかった。
様々な経験を積み重ねていく中で徐々に毒が体に溜まるようになった。
人がその毒をフグのように溜め込めばどうなるか。
毒を味わった人を死に追いやる危険もある。
そんな人に近付きたいと思います?
私は思わない。
危険な人には近付かない。
体に毒を溜め込めば、どんなに我慢出来たとしても、人が離れていくかもしれない。
闇が深そうだからね。
悪口は無理して我慢するようなものじゃない。
自分がその毒素に犯されるぞ。
愛せる悪口もあるんだよ。
悪口はネカチィブなイメージばかりが先行しているけど、そのイメージをうまく利用する賢い奴もいます。
悪口の考え方ね。
悪口の裏側には様々な感情が含まれていて、体の中から湧き出てくる毒をユーモアだけじゃなく、愛情に変えられたりもする。
「お前はいつも自分勝手だ!でも私にはないものだから尊敬している!」みたいなやつです。
「世界中で心を痛める様々な事件が起こっている。だからこそ自分の家族は命を懸けて守りたい。」
「お前は一般的に見てもブスだ。でもフレンチブルドッグみたいに見慣れるとめちゃくちゃ可愛い。」
悪口!?
なんだけど愛情も…。
普通に「尊敬してる!」や「家族を守る!」や「めちゃくちゃ可愛い!」と伝えるよりも、軽い悪口で嫌なイメージをさせてからのアゲアゲ作戦で、悪口を帳消しにする。
人によっては愛情を感じる表現になったりする。
より良いイメージを相手に伝えるには悪口が必要になる事だってあるんです。
誰かを説得したり、納得してもらう為に悪口を混ぜる。
その使い方によっては「普通の事」が見事に化ける。
一手間かけるだけで大化けする絶品料理みたいなものなんです。
愛せる悪口だってあるんだよ。
悪口の使い方を知る。
悪いイメージばかりで、誰かを傷付けるだけだと思われている悪口も、実は使い方次第で美味くなる。
言ってしまえば唐辛子みたいなものです。
辛味ね。
唐辛子だけで食べると辛いだけじゃん。
罰ゲームじゃん。
でも、豚汁に一振りするとどうよ。
ピザに一振りするタバスコはどうよ。
刺身にワサビはどうよ。
おでんにカラシはどうよ。
旨味に変わりませんか?
変わるんです。
でも経験が必要。
だって辛味だから。
かけ過ぎりゃ台無しにだってなる。
合わせ方によっては罰ゲーム。
ロシアンルーレットに出されるワサビ入りのシュークリームだ。
悪口には使い方があるんです。
人生っていう最大の料理に悪口という辛味が必要な場面は必ず訪れる。
まずは味わって、痛い思いをして、経験する。
その経験がもっと素晴らしい人生を作るスパイスになる。
唐辛子に含まれる成分のカプサイシンは体を温める効果があるんだってよ。
どうか感想をください。