私はフレンチが好きです。
フルコースで食べれたら、最高の幸せです。
でも生まれてから数回しかフルコースでフレンチを堪能した事がない。
「いつも食べてるから好きなんじゃないの?」と思うかもしれないが、そんなに裕福な暮らしをしているわけじゃないので、そもそも贅沢過ぎて何度も行けないのです。
ただ、「だからこそ美味しく感じる」というのもあります。
自分勝手な評価ですが、フレンチは私にとって世界で一番美味しい料理です。
今回は大好きなフレンチの魅力を庶民の私から熱く伝えたい。
フルコースの特別感。
フレンチだけでなく、イタリアンにも中華にもフルコースはありますが、私の中で最もTHEフルコースのイメージが強いのがフレンチです。
ちゃんと理由もあります。
フレンチ以外の料理は単品のイメージが強いからです。
イタリアンで言えばパスタやピザ。
中華で言えばチャーハンに麻婆豆腐などなど。
フレンチと言えば…。
「これ!」といった単品のイメージがあまりないのです。
日本食だとフルコースの懐石料理もありますが、私が日本人なのでそこまでの特別感はありません。
旅館で出て来る懐石料理は最高だけど…。
って事で、フルコースで最も特別感を感じるのはフレンチだと一方的に決定しました。
私の中でフレンチのフルコースは、イタリアンよりも、中華よりも、懐石料理よりも、「次は何が出てくるんだろう」ってワクワクするんです。
呪文のような長い名前のメニュー。
名前からは味を想像出来ないのも立派な特別感です。
想像を超える味。
私はこれまで多くの料理を食べてきました。
もちろん超高級食材や幻の食材などは除きます。
ざっくり説明すると、スーパーに売っているもので多くの食材を食べてきました。
大体どこにでもイタリアンや中華はあります。
ただ、フレンチはどうでしょう。
滅多に見ません。
売ってはいるんだろうけど、あまり食べた事がないんです。
あまり食べた事がないからフレンチの味に対して味覚が発達していません。
だからフレンチをフルコースで頂く際はいつも驚かされます。
見た目からは想像出来ない味がするんです。
普段からフレンチを食べている人はそう思わないかもしれませんが、私のような普段から近所のスーパーマーケットでしか食材を選ばない庶民にとって、いつも想像を遥かに超える味を提供してくれる。
醤油や塩や味噌だけでは到底辿り着けないような味付けだと感じる。
それは普段から口にしている調味料や調理法と逸脱しているところにフレンチが存在している証拠なんじゃないだろうか。
そしてそういった味に対して「うわっ!美味しい!」と感じさせてくれるフレンチ。
「さすが世界三大料理だな」と思わせてくれる。
少し敷居が高いフレンチだからこそ、その期待を裏切らない想像以上の味を提供してくれるのです。
家で食事を作る機会が多ければ多いほど、その味に驚かされる。
そんなに頻繁にフレンチを食べるわけではない私は、いつも「どうやったらこの味になるの?」と思う。
ちゃんと想像を超えてくる。
フレンチを極める難しさ。
少し前に図書館で数々のフランス料理のレシピが載っている、「まるで図鑑」のような分厚さの本を読んだ事がある。
読んだと言うよりペラペラとめくりながら見た程度ですけどね…。
印象に残っているのは、日本料理のように「出汁のような存在がある事」と「圧倒的な手間」でした。
出汁のような存在とは正にそのままの印象で、日本のように鰹節などを使うわけではなく、様々な野菜を煮込み、それをスープやソース、料理に使う。
野菜を煮込んだ出汁は「ブイヨン」と呼ばれる。
フレンチだと「フォン」と呼ぶ事も。
「フォン・ド・ヴォー」という言葉を聞いた事があるかもしれないが、イメージ的にはデミグラスソースみたいな感じだろうか。
これもフレンチでは出汁のように使われる。
野菜煮込んで作る出汁のフォンに、仔牛の肉や骨を入れ、更に煮込んだもの。
それがフォン・ド・ヴォーです。
ササっとみそ汁を作る時の出汁とはちょっと違った考え方ではあるけど、これがフレンチ流の出汁なんです。
そしてこれらの出汁を作るには手間がかかります。
多くの野菜を用意して、下処理、煮込む時間。
凄く手間がかかる。
そしてフレンチの味の決め手でもあるソース。
これもフォン・ド・ヴォーと同じように手間をかけて作ります。
材料、下処理、煮込む時間。
料理としては、焼く、煮る、蒸すが基本だけど、フレンチは出汁とソースに圧倒的な手間をかけるのです。
でも、手間をかけたからこそ想像以上の味になるし、美味しいのです。
それに特別感も。
分厚い図鑑のようなフレンチの本の中身はほぼブイヨンとソースが決め手になっていたのを覚えている。
素材ごとにソースを変え、これまで感じた事の無い味覚を刺激する。
ソースの種類やブイヨンの作り方だけでも、「単純ではないフレンチを極めるのは難しい」と言える気がしました。
世界三大料理でも飛び抜けている存在。
フレンチは世界三大料理のひとつと言われているけど、私はその中でも飛び抜けた存在だと思っている。
他の料理が嫌いなわけではありません。
トルコ料理のケバブは大好きだし、屋台でも出ていれば必ず食べるし、どんな料理も美味しいと思える。
中華なんて毎日食べたくなるくらいに大好きで、その気持ちをいつも満たしてくれるように今やコンビニにもスーパーにもデパートにも常に多くのメニューが並んでいる。
私が言いたいのは、今は美味しいものが沢山あるって事です。
冷凍食品も年々進化していて、レンジでチンするだけで本格的な味に。
ところが、そういった様々な料理が身近な存在になっても、やっぱり「エビと真鯛のポアレ赤ワインソース」のようなメニューは無いのです。
つまり、フレンチレストランでしか表現出来ない味なんだと私は思っている。
魚の皮はパリパリで、身はふわふわなポアレ。
似ている味が思い浮かばないような複雑で深い味わいのソース。
それらが合わさる事でひとつの料理になるフレンチは冷凍保存やレンチンでオーケーとはいかないのだと思う。
世に出回らない複雑さとプレミア感も含めて世界三大料理の中でわざとらしく1番を決めるのなら、間違いなくフレンチであると私は思います。
最高のご褒美。
ここまでやかましい程にフレンチを推してきましたが、紹介してきた様々な理由をまとめると、私にとってフレンチは特別な価値を持っています。
そりゃ牛丼の方が食べやすいし、安くて美味しくて短時間で満足します。
行きつけのラーメン屋さんなんて本当に美味しくていつも私を笑顔にしてくれます。
カップ麺だって大好きでいつも家にはストックを用意してあります。
コンビニのお弁当もおにぎりも大好き。
私は純粋に食べる事が好きなんです。
そんな中、フレンチはレストランに行かないと食べられないし、近所にお店があるわけでもないし、コースだから時間をかけて順番にテーブルへ運ばれる。
まるで牛丼の真逆に位置するような料理です。
だからこそご褒美感があるんです。
ご飯を食べる為だけに少しオシャレをして、少し遠くのフレンチレストランまで行って、ゆっくり食事を堪能する。
食べる事が好きな私だからこそのご褒美感なんです。
フレンチが世界で一番美味しいと思う理由。
それは食べる事が大好きな私を隅々まで満足させてくれるからです。
見た目に、味に、特別感に、雰囲気。
その全てでいつも私に「食の最上級」を堪能させてくれるフレンチ。
私の中では世界一の料理です。
どうか感想をください。