男気じゃんけんという悪ふざけでトラウマの先の愛を知る

小言

テレビで見るのは面白いけど一般の我々がやると財布も貯金もやられるぞ。

それも友人と飲みに行く時に頻繁に行われる。

「そろそろ帰るか。」

の一言でじゃんけんの準備をする。

「最近金を使うところがねーからなー。」

とか。

「今日くらい払わせてくれよー。」

とか。

じゃんけんの準備をしながらそんな事を言い出す。

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じゃんけんに勝った奴がその日のお会計を全部払う地獄のルール。

それが男気なのだ。

そのじゃんけで、勝って、たとえ会計を自分が全て支払うことになっても、

 

「安いなーもう少し食べとけよー。お土産買うか?」

 

とか最大の見栄を張る。

そういうルール。

たまにそこでマジでお土産を買う時があるから鬼だ。

テレビでやって、とても多くの反響があった証拠。

テレビで芸能人がやっているのなら面白いだろう。

でもテレビでやるには圧倒的な理由がそこに存在する。

それは、

 

「誰かが見てくれている。」

 

という圧倒的に価値があること。

芸能人は人気商売だ。

そりゃ頑張るし最大の見栄を張った方が面白い。

駆け出しの芸人がじゃんけんに勝とうものなら見ている側は、

 

「大丈夫なのか?」

 

と逆に心配になることを楽しむだろう。

それもこれもテレビだからね。

でも我々はどうよ。

誰も見てないしいつもの顔ぶれの中でやる。

マジで意味がねー。

こんなに意味がないことに楽しむ方が無理。

それでもやる。

もはや年2回の行事状態です。

ここまでくだらないとさすがにもう集まりたくない。

でもあれはたくさんいないと始まらない。

それにじゃんけんに負ければ相当お得である。

だが問題がある。

私は持っている。だからこそじゃんけんに買ってしまう。

「お前持ってんなーw」

っていうのがオチである。

仲間内の中だけで。

爆笑だ。

ここ1年半くらい勝ち続けている。

こんなにじゃんけんが強い自分を恨んだことはない。

しかも結構高いんだ。

それがわかっててみんな好き勝手食べたり飲んだりするから。

どうせ誰かがおごるなら、自分も払うことになる可能性があるなら胃袋をパンパンにするものでしょう。

そうでしょうね。

所詮そんなものなのです。

その状態で勝ち続けている私。

男気を見せ過ぎていつも貯金が目減りする。

あれはやっぱり芸能人が視聴者を楽しませる為のものだ。

超絶一般的給料の私にとってはただイタイだけ。

別にその後の人気が給料を左右することもない。

誰かが見ているわけがない。

そうなのです。

言いたい。

一般的にうまみが一切ない。

勝てば勝つ程意味がない。

そのじゃんけんに私は勝ち続けている。

意味がわからない状態だ。

自分にとって損しかない。

その場で少し「ワハハー」と盛り上がる程度の話。

そこになけなしの給料が溶かされていく。

貯金が目減りする。

なんだこの意味のなさ。

辛いだけだ。

そりゃずっと負けてる連中はいいだろうね。

お腹いっぱい食べて、飲んで。

「ご馳走様です!」

で終わりだ。

最高の気分だろう。

こっちとしては海賊に襲われている気分だよ。

一度もじゃんけんに買った事がない奴もいる。

じゃんけん弱すぎ君だ。

こいつがまた良く食べるし飲む。

なんか最近は飲み会以外で会っても会った瞬間からムカつく顔をしている。

別に罪はない。

ルールなだけ。

超絶一般的価値観の中で適用してはいけないルールなだけ。

こんなにじゃんけんに負けたいと思ったことはない。

次こそはくそほど食べて、めたくそ飲んで。

アホみたいに高い店でそれをやって。

誰もがビックリする値段にして。

じゃんけんに負ける。

これが次の目標だ。

じゃんけんは基本的に勝ちたい。

でもこればかりは間違いなく勝つわけにはいかない。

むしろ負けたい。

こんなにじゃんけんに負けたいと思ったことなど人生で一度もない。

そのくらいじゃんけんが強い自分を呪いたい。

何で勝ってしまうのか。

どうしてこんなに持っているのか。

持ってなくていい。

むしろ参加しないで外でそのじゃんけんの結果を見守りたい。

そのくらいじゃんけんが嫌だ。

こんなことあるか。

じゃんけん勝ち過ぎてじゃんけんが怖いんだよw

聞いたことねーわ。

普通に考えたら勝ちたいしじゃんけんは楽しいものだ。

今は。

怖い。

お化けより怖い。

もうちょっとトラウマになってる。

彼らに罪はない。

ただのルールだ。

それでも顔を見る度に憎い。

ヘイト!ヘイト!

になる。

奴らは私から奪うものなのだ。

向こうにその感覚はないだろう。

何しろじゃんけんに勝ってるのは私だけなのだからな。

顔を見る度に海賊に襲われているような感覚になる。

 

略奪される。

 

と恐怖に怯えている。

善良な市民である私から大切な財産を奪っていく連中なのだ。

じゃんけんが強すぎるという理由だけで何もかも奪われていく。

いつもそうだ。

出る杭は打たれる。

どんなに稼いでも、どんなに頑張っても。

出る杭は打たれる。

私はこれ以上勝ちたくない。

勝ちたくないんだ。

目立ったらだめだ。

超絶一般市民である私はこれ以上目立ってはいけないのだ。

世の中はそういう者から搾取しようとしてくる。

ひっそり暮らしたい。

そこまで追い詰められる。

それが一般市民がやる男気じゃんけんだ。

なんて禍々しいルールなのだ。

でもみんな楽しそうだ。

奴らは海賊みたいにお金を支払う私を見て楽しそうにする。

いじめられてるわけではない。

きっとそうだと思っている。

でも仲間内だけで通用する笑いなのだ。

せっまい笑いだな。

くそ狭い世界での笑い。

その辺りもまた海賊っぽい。

でも妙に楽しそうなのだ。

略奪されている私からするとムカついてしょうがないんだけどあんまり楽しそうにするものだからそれはそれでいいのかとか考え出してしまう。

そう。

 

これが勝ち過ぎて逆に価値を見出そうとするポジティブ病。

 

あんまりマイナスになるとそれが自分にとってはプラスだと感じる現象だ。

よくよく考えるとただ捉え方を変えただけであって損に変わりはない。

むしろ奴らが海賊な事に変わりはない。

だけど勝ち過ぎて変な価値になる。

 

海賊すらも愛するのだ。

 

こうなると精神的に異常になる。

憎い!

ヘイト!

愛!

ラブ!

 

ヘイトラブ!

生まれた。

これが憎いほどの愛。

トラウマから愛への変化。

どちらでも良くなる。

その場を最高に楽しむことを考えるようになる。

私も海賊になった。

そして海賊みたいな奴らに囲まれる空間を好きになる。

愛すようになる。

ただ文句を言い続ける奴。

寝る奴。

ずっと頷いてるだけの奴。

携帯を触ってる奴。

それをまとめる奴。

じゃんけんに勝ち続ける奴。

私は海賊になったのだ。

お金なんて使うものだ。

 

どうせくだらない事や自分の為だけに使うお金ならこいつらに使っちまった方が良いな。

 

そう思ってしまった私は完全に海賊なのだろう。

お金は守りながら使うものだ。

頭が良い人や賢い選択が出来る人であればそのお金を使って更にお金を増やす選択をするのだろう。

私もそっち側の住人だと思っていた。

つまり自分を貴族だと思っていたのだ。

でも超一般市民であった。

さらにじゃんけんで勝ち続け、海賊になることを決めた。

忘れていたのだ。

私はあの瞬間を最高に楽しんでいた者。

むしろ一番じゃんけんの結果を楽しんだ者。

海賊の中の海賊。

海賊の王だ。

それなのにこんなに陽気な野郎どもを憎んでしまった。

プライベートで二人きりで会ったらぶん殴りたくなっていた。

本当は違う。

その空気感を愛していたのだ。

ちっさい世界のちっさい笑いの為になんか一生懸命になって、その場を最高に楽しめる奴。

そういうやつがおっきい世界でも同じように一生懸命楽しもうとする奴なんだ。

物事には順序がある。

その順序を折り返して逆戻りしてる。

マジでムカつく程の愛だな。