ちょっと昔の話になりますが、テレビで「マネーの虎」っていう番組がやっていました。
その番組では「虎」と呼ばれる年収がすんごい人達を集めて、その前で「投資して欲しい人」がプレゼンテーションをする。
そのプレゼンテーションに対して「投資したい」と思った「虎(社長)」達が自分で決めた金額を出す。
目標金額に到達すれば「マネー成立」となる。
MCは吉田栄作。
「なんでんかんでん」の社長も出てた。
プレゼンテーションをして、誰も投資しなければ、吉田栄作が言うんです。
「ノーマネーでフィニッシュです。」
中には大成功を納める人もいた。
豚骨焼きそばとか、クレープ屋さんとか。
基本的に飲食系の人達は「自分のお店を出す為の金額」を投資して欲しいわけです。
プレゼンテーションが素晴らしい人に対しては虎達が「出資させてくれ」と逆にお願いしているパターンも見たことがある。
番組の内容は投資をするだけ。
でもなんか面白かった。
その番組がやっている時に私はまだ学生でした。
投資を知らないクソガキの私に、アホみたいに笑えるプレゼンテーションや関心する計画的なプレゼンテーションを教えてくれた番組。
ふと思い出したんです。
だから「マネーの虎」関連の動画で残っているものを中心にもう一度観てみました。
そしたら今だからこそ見えてきた部分もあったのでその辺りを伝えたい。
堀之内 九一郎(ほりのうち きゅういちろう)という虎。
番組をいくつか観ていると、この社長はとにかく「なかなかお金を出さない」。
全く出さないわけじゃないけど、私が思い出として残っているのは豚骨焼きそばへの投資くらいだろうか。
この堀之内社長は、若い頃、何度も借金をして起業する。
その借金を返せない状態にも関わらず、取り立てにきた人に「もう一度貸してくれ」と意味の分からない事を言っていた過去もあったそうな。
気が付けば1億以上の借金を抱えたが、見事に起業したビジネスで返済。
一度借金の返済をした具体的なビジネスはわからないけど、とにかく全額返済を完了したみたいです。
でもその後、詐欺に巻き込まれ、倒産。
家族からも見放され、なぜか一人で東京へ。
この時、半ば失踪みたいな形になったようで、捜索願も出されたそうな。
東京に来たものの、仕事はなく、そのままホームレスに。
冬の外は寒い。
たまたま落ちていたストーブを見つけた。
壊れていて使えなかったが、なんでも修理するのが得意だったらしく、壊れているストーブを直して使うようになる。
でもお金が無いから食べ物は買えない。
「お金が必要だ」と思っている時に、近くにいたホームレスが「そのストーブを売って欲しい」と持っている全てのお金を出した。
ホームレス堀之内はストーブを売って得たお金で食べ物を手に入れる。
そして、壊れているものでも修理すればホームレス仲間や当時からあったリサイクルショップで買い取ってくれることを知る。
そこからは廃棄物漁りの毎日。
周りのホームレスにも「壊れている電化製品があるなら買い取るよ!」と言って人員を確保した。
ホームレスが拾ってきた壊れた電化製品を買い取り、直し、リサイクルショップへ売りに行く。
それを繰り返して生活をしていた。
せっせとお金を貯めながら、リサイクルショップを始める。
名前は「生活倉庫」。
当時から 近隣の地域にリサイクルショップが「40店舗」以上あったらしいけど、競合するとわかっていて出店したらしい。
ライバルだらけの土地柄でも勝負しようと思えた理由は「モノを直すのが好きだし楽しいから」だったようで、結果、リサイクルショップを年商50億まで成長させる。
リサイクルショップのフランチャイズ契約も開始し、乗りに乗っている状態でマネーの虎への出演をしていた。
堀之内社長は時の人になるが、番組も終わり、テレビと疎遠になる。
その後、世の中にネットオークションが流行する。
ネットオークションの出現によって、個人がモノを売りたい時にリサイクルショップに持って行く必要が無くなった。
リサイクルショップを通さずとも、個人で多くの利益を出せるようになった。
時代の流れに飲まれ、会社を売却。
その際に15億の借金を抱えたらしい。
でも最近また復活。
こないだ鑑定士としてテレビに出演していたそうな。
何たるバイタリティ。
復活の時は近い。
ちょっとまとめます。
堀之内 九一郎という虎はやっぱり虎なんだと私は感じます。
そのバイタリティね。
まず「東京にホームレス状態で向かう」って普通じゃ出来ない。
「とりあえず行くぞー」って気持ちで行っちゃうあたりが特にヤバい。
でもこれは「失うものが無い」からだったのかもしれない。
だから行きたい所に行ったんじゃないだろうか。
しばらくして、ホームレス仲間と一緒にお酒を飲んでいる時に響いた言葉があるらしいんですが、「なんか儲かる商売はないかね?」って相談した時に、「あなたは商売に向いていない。商売は楽しいと思うことの延長線上にあるもので、楽しいと思うことを一生懸命続けていく中で商売になる。」
って言われたそうな。
ニュアンスとしては、「儲かる前提でするのは商売じゃない」っていうことだと私は捉えている。
自分が「楽しい!」って思えることを一生懸命続けていく中で徐々に商売に変わるものって感じだろうか。
結局ライバル店がたくさんあるのにリサイクルショップを始めた理由がその時の言葉で、「修理が好きで楽しいから」が決め手になったらしい。
そして2019年になってテレビに出演。
鑑定士として…。
これも好きで楽しくて続けてきた成果なのかもしれない。
まぁ。
私はバイタリティが半端じゃない感じがするけど。
南原 竜樹(なんばら たつき)という虎。
番組が放送されている時に思っていたが、この人もまた、あまり積極的に投資をするタイプではない。
覚えているのはクレープ屋さん。
クルクル巻くタイプのクレープに投資していた。
その時の投資は「移動販売用の車両を買う為」だったように記憶している。
ちょっと調べてみると、あの時のクレープ屋さん。
今では全国に200店舗を出すまでに成長しているらしい。
すげー。
で、この南原社長は大学を中退しています。
当時はまだまだ起業っていう言葉が浸透しておらず、「プー太郎」と呼ばれていたそうです。
今でもプー太郎はあるけど。
24歳の頃、海外に行くのが好きで、実際に行って、そこで車を買って、日本に送り、友人などに売っていたらしい。
普通はいきなり海外に行って車を日本に売ったりしないでしょうけど、それが「売れる」と思って実行しているのが…この人もバイタリティがあるのか。
そして外車ディーラーとしてどんどん成長していく。
外車のディーラー業だけで年商100億まで成長。
仕事としてやってはいたけど世間ではプー太郎と言われながら、結果的に100億。
仕事を始めた当時はまだ実家に住んでいたらしく、ある日、家に帰ると国税局の人が3人来ていた。
自分の部屋のベッド上に座って帰りを待っていたらしい。
「南原君、君、税金納めてないでしょ?」
大学を中退したまま「友達に外車を輸入して売る」から始まった「プー南原太郎」は税金を納める事を知らないまま年商100億へ向かっていたのです。
稼いだお金を次の車の購入に使っていたので私的には利用しておらず、すぐに支払い問題解決。
その後は経営を知り、会社を興し、見事に100億を突破。
ここで大問題が起きる。
イギリスの自動車メーカー「ローバー」が倒産する。
これにより、先に購入していた南原社長が持つローバー車の価値が無くなる。
倒産したメーカーの車はメンテナンスが出来なくなる。
保障も無くなる。
売れないのです。
だからその車を全て処分。
会社の経営としては特損扱いで処理。
大きな損失ってこと。
ローバーの車を廃棄する為にお金がかかってしまったわけです。
その金額は20億で、先にお金が必要になった。
結局お金が集まらず、南原社長の会社も倒産。
貯金もゼロ。
ポケットに50円だけ。
ホームレス状態になった。
でもまぁ、虎なので、もちろん這い上がります。
ディーラーという仕事柄、多くの人と繋がりを持っていた南原社長は、人材派遣の会社をすぐに始める。
理由は始めるまでにお金がかからないから。
まずは知り合いに声をかけ、「申し訳ないけど働いてきてくれないか?」と言って頭を下げながらスカウトしまくったらしい。
そして仕事をしてもらい、労働者にお金を支払ないながらも数パーセントは会社のお金になる。
そこで得たお金を元に次は不動産を始める。
良い物件を安く手に入れ、それを高値で売る。
見事に契約が決まり、1億を手にした。
その後、M&A紹介の仕事を手掛け、仲介料として3億を手にする。
あれよあれよと再び第一線へ舞い戻る。
今となってはグループ会社として8社を展開。
また、年商100億以上に。
何たるバイタリティ。
これからは外車のディーラーじゃなくて色々やりたいらしい。
上場を狙っているとのこと。
ちょっとまとめます。
この南原社長、「もう一度お金が無くなったら嫌じゃないですか?」と聞かれると、「もう一度やり直せばいいじゃないか。」と言っていました。
人って築き上げた地位とか名誉は守りたいと思うし失いたくないはず。
でも、「それを失ったら?」って質問に対して即答した。
「もう一度やればいいじゃん!」と。
凄くポジティブなんだと思う。
そして失うことに対してそんなに恐怖を感じていない。
嫌だろうけど、自分の経験から何とかなると思っているのかもしれない。
実際にインタビューの映像を観てみると、そのなんとも言えない自信というか、「どっちでも構わない感」が伝わってくるような話し方をする。
「プライドがあるようで無い」って感じ。
まぁ。
とにかくバイタリティが凄い。
改めてマネーの虎に出演していた社長を見て感じた事。
今回学生の頃に放送されていた「マネーの虎」を改めて観て感じた事があった。
それは出演者の社長のバイタリティ。
訳すと、生命力とか活力にあたるんだけど、経歴を改めて調べてみると、このバイタリティが半端じゃなく凄い。
そして今回紹介した二人に限っては一度ダメになっても見事に復活している。
この復活劇も強いバイタリティを持ち合わせているからこそだと思います。
今回伝えたいのは一つ。
むしろこれがあれば虎になれるんじゃないかと思う。
それは「強力なバイタリティ」です。
クレイジーなくらいにポジティブな考え方を持っている部分もあるけど、恐らくそのポジティブな考え方は「超強力なバイタリティ」から来るものだと私は思っています。
自分の人生は自分で切り開く。
誰もがわかってはいるけどなかなか行動には移せなかったりする。
それをスーパーバイタリティで切り開いていく。
何回でも成功するには絶対にスーパーバイタリティが必要なんだと思う。
どうか感想をください。