卒業のシーズン。
我が子も今年、上の子が保育園を卒業します。
今考えてみれば、子育ても初めてで、何が正しいのかもわからなくて、どうすればうまくいくのかもわからなくて、それでも生活は維持しなくちゃいけなくて。
てんやわんや感じだったと思う。
あまり記憶に残らないくらいに毎日が猛スピードで駆け抜けていくような感じ。
仕事で嫌な事があっても、ショックな事があっても、凹んでても、子育てはサボれない。
食事を作り、次の日の保育園の準備をし、洗濯をし、保育園に送り、仕事をして帰って来る。
それの繰り返し。
でも卒園式はもうすぐ訪れる。
どんな心境かまとめておきたい。
当初は預けるのが「怖い」って感じてた。
我が家は共働きです。
両親からの手伝いもそこまで期待は出来ない。
だからこその保育園。
ただ、私は反対でした。
それには理由があります。
たまにニュースで流れる保育園に関する情報。
お昼寝の時の死亡事故やその他の心が傷つくようなニュース。
ニュースだからそういった情報ばかり流れるのはわかります。
だけど自分の子供が保育園に通う前、その環境が身近な存在になるって思うとすごく怖かった。
そういうニュースが流れる度に信用出来なくなっていった。
「保育園に預ける」って決めたからこそ保育に関するニュースが必要以上に飛び込んでくる感じがしてた。
普段は気にしなかったニュースですら「怖い」って感じるようになった。
だって私達は子育てが初めてなんです。
だからわからない事だらけなんです。
毎日家にいれば起こり得ない問題が保育園で起きる可能性を考えると、どうしても「預けたくない」って思ってしまうんです。
だけど仕事をしなければ子育ては出来ない。
結局預けることになります。
それが夫婦で出した「その時の」最良の選択だったから。
通い始めてもやっぱり嫌だった。
通い始めの頃は我が子にとっても知らない子達に囲まれている状態。
そもそもまだ親族くらいしか関わりを持ったことがありません。
だから本人も緊張状態になる。
そして「嫌だ」って感じるんです。
泣きながら「イヤだイヤだ」って言うんです。
保育園には「慣らし保育」っていう考え方がある。
慣れるまでは短時間だけ預かってもらって、子供が保育園での生活に馴染むまで緩やかに進めていく。
我が子は泣きました。
「行きたくない。離れたくない。」
私達夫婦も同じ気持ちになります。
だってついさっきまで「ずっと一緒に生活していた」んですから。
子供から離れる心配と不安と「申し訳なさ」で一杯になりました。
辛いんです。
お互いに。
その瞬間は今でも覚えてます。
忘れないと思います。
親の力不足もあって「保育園に預ける」選択をしてしまったこと。
共働きでなければ生活が維持できない現状。
すごく悔しかったです。
まぁ。
子供の中でそれが辛い記憶になっているかどうかはわからないんですけどね。
でもその時は親として覚悟を決める必要があったし、「頑張らなくてはいけない」って使命感でいっぱいになりました。
数か月が過ぎる。
そこからはあっという間でした。
慣らし保育が終わり、数か月。
気が付けば「保育園に行く」が生活の一部になります。
まだまだ親として「申し訳なさ」は残っているけど、子供も当たり前のように保育園に行くようになりました。
泣きわめいて「やだやだ!」って言っていた我が子も気が付けば保育園の仕組みを知り、場所や雰囲気に馴染んでいる。
「これはこれでありなのか?」っていう想いが芽生えます。
私に。
自分の子供だから過剰に反応してしまう部分はあります。
それは自覚症状としてあります。
大切にしている気持ちも保育園にいる先生方より明らかに「ある」って自負しています。
それは今でも変わりません。
ただ、先生方もプロです。
「子供が好き!!」っていう当たり前な感情だけではなくて、「仕事」として一生懸命やってくれている。
預かりながらもしっかり学べる環境を維持しようとしてくれている。
一人一人が持つ使命感をすごく感じました。
我が子は自然に友達になった子と喧嘩したり、その延長でケガをしたりもした。
先生方はその時の状況を出来るだけ細かく親の私達に伝えようとしてくれる。
保育園の先生って小学校の先生とは少し違って、子供に最も近づかなきゃいけないし、親とも最も近づかなきゃいけないんじゃないだろうか。
私達のように「初めて子供と離れる時間」を「仕事」として全うするには覚悟が必要だと思う。
子供好きだけで成り立つような仕事ではないと思った。
子供の成長。
家に帰って来ると子供が私に言うんです。
「今日は公園に行って○○をして遊んだんだよ!」
「今日は○○ちゃんと遊んだんだよ!」
「○○先生に怒られたの。」
「○○先生が好きなの!」
「今日はお昼ご飯をピカりんこしたよ!」
帰ってきてお風呂に入りながら言うんです。
今日あったことや感じたことを。
ケガすることも体調を崩すこともあります。
だけど家に親といるだけじゃ経験出来ないことをたくさん持って帰ってくる。
ウイルスも含め。
日に日にたくましくなっているような感覚になりました。
今日起きた事を上手に話せるようになっていく様。
「一人で出来る!」って頑固にやってみせるわりに豪快に失敗する姿。
運動会も発表会も、始まる前はやる気満々なのに始まってみると恥ずかしくて声も出ない。
多くの事を感じて、それを自分の中で何とか処理していく成長はきっと「保育園」に行っていたからこそのものだと確信しています。
預ける前は心配で、不安で、申し訳なくて、親としての立ち位置を見失いかける事もありました。
それでも子供は毎日を全力で学びながら生きている。
その中で「子供の成長」に触れられたことは「保育園に行ってよかった」と素直に喜べます。
それだけで「良かった」と親として思えました。
親によっては感じ方も違うでしょうし、「良かった」と思えない環境にある保育園だって存在すると思います。
だけど私達は「保育園に行って良かったな」って思えたんです。
結果的に。
子供の成長と親としての勇気を与えてもらったような感じがします。
また新しい環境に向かう。
卒園してしまえばまた新しい生活が始まります。
それは子供だけじゃなくて親も同じ。
きっと新しい困難も新しい発見も成長もあるんだと思う。
保育園を通して家族の絆を改めて考える機会を与えてもらえたように思います。
家族として、我が子の一つ一つの困難が経験になって、成長に繋がることを心から望んでいます。
そして私達もそれを受けて親として成長していきたい。
私達親が子供に出来ることなんて、サポートくらいなものです。
どれが一番良いかなんて大人になった我が子が決めることなのかもしれないけど、私は親として全力で頑張っている姿を見せ続けたいし、「申し訳ない」って気持ちにならないように、毎日を悔いが残らないように突き進みたい。
どれもこれも保育園に行くことで教わりました。
我が子だけじゃなくて、親の私達も子供について話をすることが多くなったし、そういった会話を進めていくことで夫婦として互いの理解も深めていきました。
夫婦の在り方によって保育園の存在価値は変わるのかもしれないけど、私達にとっては今後家族として生活していく上でとても大切な時間だったと思っています。
我が子の成長は当たり前かもしれないけど、親としても一つ成長したような気持ちでいます。
本当にありがとうございました。
どうか感想をください。