夏が終わると、少し涼しくなったからか、おでんが食べたくなります。
鍋も良いけど、おでんも良い。
いや、おでんが良い、
今日はおでんに決めた!
子供の頃はご飯のおかずにならないと思ってたからそんなに好きではなかった。
だけどお母さんは「お父さんが好きだから」とおでんを作るのです。
頻繁には出てこないけど、少し涼しくなると、子供だった頃の私からすれば「また!?」とリアクションを取るくらいの頻度でおでんが登場していた。
シンプルに説明すると、別に好きじゃなかったのです。
当時はカトちゃんケンちゃんのコント番組がテレビでやっていて、酔っ払いキャラのケンちゃんが屋台のおでんを食べながらお酒を飲むシーンがあったような記憶が残っている。
おでんって、大人が食べるものなんじゃないか?
当時の私はマジでそう思っていた。
そして今、家族があって、子供がいて、お酒を飲みながら、おでんを食べながら、妻に「最高に美味い」と言っている私。
結果的におでんがすごく好きになっていた。
今回は私がどれだけおでんが好きなのかを一方的に伝えるブログです。
どうしておでんが美味しいか。
おでんが美味しい理由はシンプルさにある。
様々な素材をグツグツ煮立ったダシで煮るだけ。
我が家の味付けは妻に聞いたら白だしと水のみらしい。
味付けもシンプル。
素材も大体スーパーに並んでいる。
夏が終わればおでん専用の練り物が一袋にまとめて入って売っている。
それを買って大根とゆで卵に白滝にコンニャクにはんぺんなんかをぶち込んでグツグツやれば出来上がり。
味をしっかり染み込ませるために大根はあらかじめレンジでチンして火を通しておくと良いらしい。
我が家では更なる高みへおでんの出汁を持っていくためにキノコ類を加える。
舞茸でも椎茸でもいい出汁が出るみたい。
他には好き嫌いが分かれるが、牛スジやジャガイモやウインナーを入れてもまぁ美味しい。
結論は、白だしと水だけなはずなのに、色んな具材が持ち味を出し合って最高の出汁を作るからおでんは美味しくなるのです。
素材の旨味を活かす為に、ベースの味はあえて白だしのみ。
こってりめに作りたかったら牛スジは外せない。
とにかく美味い。
大根だけでお腹いっぱいにしても構わないポテンシャル。
多くの素材が力を合わせて完成させた出汁を「これでもかー!」と勝手に染み込ませる大根。
絶対に美味いのです。
出汁の完成度が高ければ高いほど、大根は美味い。
そして大根ほど「おでん」を体現する食材は他に無い。
大根と言えばおでん。
理由は、めっちゃ出汁を吸うから。
大根は味を染み込ませてナンボです。
大根おろしや大根サラダの選択肢もあるけど、染み込ませるべき。
吸いたいだけ吸わせてあげるべきだと私は思っている。
私が知っている料理の中で、「大根だけでお腹いっぱいにしても良いと思えるのは」おでんくらいなものです。
ブリ大根や豚の角煮でもいける事はいけるけど、おでん程ではない。
おでんはそれだけ大根を活かせるポテンシャルを持っている。
箸でちょっと崩して、熱々の大根を口にスポンと入れれば、次はその倍の量を口に入れるくらい「食べてから分かる美味さ」がある。
おでんのおかげで。
コンビニのおでん。
最近は夏でもおでんが置いてあるコンビニがある。
年中ポピュラーなメニューになりつつある。
正直に言うと、コンビニのおでんの出汁は、めっちゃ美味いです。
どの具材もめっちゃ美味い。
ただ、セルフで取るタイプとそうではないタイプのコンビニがあって、セルフで取るとそれはそれで手が塞がりかけて気を使うし、セルフじゃないタイプだと後ろに並んでいる人に気を使う。
別に気にしない人なら良いんだけど、私は周りに気を使うタイプなのでどうしてもコンビニのおでんは買いづらいのです。
ただ、その気遣いを超えて、買い終えたおでんは格別に美味しい。
ちょっとおでこに汗をかく程気を使った後のおでん。
まずはお出汁からすすってみたりする。
一緒にコンビニに行っておでんを買って食べた友達が対面で言ってたセリフ。
「しみるわー。」
私がその発言をコピーして、違う友達の前でやったら相手は見事に共感してた。
おでんの味の表現で最も正しいのは「しみる」なのかもしれない。
大人になったら気絶するほど美味くなった。
最初に伝えた通り、私は子供の頃おでんが好きではなかった。
大人になった今、おでんが超好きです。
出汁の味に舌がやっと追いついたってのもある。
でももう一つ外せないのが「カラシ」の存在です。
付け過ぎちゃうと猛烈に鼻の奥を刺激され涙も出るけど、それも含めて美味いんです。
もちろんカラシが無くても十分に美味いけど、付けたパターンと付けないパターンで何度の美味いんです。
大根を箸で崩して一投目。ウマー。
二投目はカラシ付きで、三投目は練り物と一緒に。
その後すぐにお出汁をすすって「しみるー」です。
同じおでんの中でも様々な具材があるから食べ合わせのバリエーションも多し。
そうです。
カラシはすでに具材。
カラシはある意味出汁。
カラシを「辛味」から「旨味」に変えられたのは大人になってからだった。
そしたらおでんが気絶するほど美味くなった。
レシピを変えようがない完成度。
知っていますか。
おでんはずっと「おでん」なんです。
私が子供の頃、カトちゃんケンちゃんのコントを見ている時からずっと「おでん」なんです。
ずっとあの味。ずっとこの味。素材味。
最初の出汁は料理で言う塩みたいなもので、どんな具材を入れるかで深みが変わっていく。
レシピはずっと出汁と水。
我が家は白だしと水。
もはやレシピではなく、プラットフォームなんです。
ずっと同じプラットフォームで楽しんでいる。
変えようがないんです。
だって白だしと水だけだし。
あとは何を入れるかだけだし。
変わりようもない。
完成されている。
ただ、美味いだけ。
そんな料理。
どうしても伝えたかった事。
私はフレンチもイタリアンも好きです。
なんなら最近ケバブにハマってるし、中華も大好きです。
美味しいものに国境なんて関係ないと思ってます。
ただ、海外の人が日本料理で「何が好きですか?」って聞かれると大体「スシ!テンプラ!」て感じになる。
おでんは日本料理です。
推しが甘めーのです。
出汁はあんなに主張してるのに日本料理としての主張は弱い。
色んな具材の良い部分を引き出して、平たくして、それなのに奥深い。
インパクトが無い。
ただ白だしと水に具材をぶち込んでるだけだし。
作る手間も修行もいらない。
そういう意味で推しが甘い。
でも美味い。
こんなに日本人らしい料理が他にあるかね。
日本酒との相性も抜群だ。
どうか感想をください。