「それでも、生きてゆく」というドラマは演技力が圧倒的

生活

特に「瑛太」「満島ひかり」「大竹しのぶ」の演技力が圧倒的。

あの3人じゃないとあれだけシリアスな話を演じきれなかったんじゃないかなって思う程に圧巻。

少し触れるとするなら、幼女殺人を犯した犯人の家族とその被害者の家族が交わる話。

瑛太が被害者の兄。

満島ひかりは犯人の妹。

大竹しのぶは被害者の母。

そして瑛太は犯人の同級生。

もういきなり言葉を失うような設定。

そして瑛太と満島ひかりは出会う。

後々その事実を知る。

犯人は殺人を犯した時は未成年だったこともあり、刑務所からも出てくる。

 

この重たさ。

 

これを何とも秀逸な演技と絶妙な脚本で描き、口が渇くほど引き込んでくる。

 

「それでも、生きてゆく」

 

それ以外に表わしようがないほどのタイトルだと思う。

それぞれの家族が事件をきっかけに時間が止まったような生活をしていく中で、瑛太と満島ひかりが出会う。

そしてそれがきっかけとなり、止まっていた時間が動き出す。

明日への希望を失わない。

それでも生きてゆく。

 

その複雑で重く、希望を持っても持ちきれない想いを演じる。

家族が崩壊している状態、復讐に取り付かれる想い。

私たちの生活の中では想像しきれない程の想いを演じるのです。

だからこそ演技力に目がいってしまう。

そしてその演技力に圧巻される。

素晴らしい。

 

何とも言えないこの禁断的なテーマをドラマにして放送した人達はすごいなぁと。

フジテレビね。

小説や漫画をリメイクしたドラマを作る安定志向の中で仕掛て来たドラマだったのを覚えている。

そしてまさかのテーマ。

漫画にしても小説にしてもなかなか伝わらない。

間違いなくあれだけの重いテーマは映像として役者が演じることでより複雑な表情や感情を表現している。

 

スポンサーリンク

「それでも、生きてゆく」で見た演技力。

複雑なテーマなのです。

我々が想像しきれないテーマ。

普段の生活からは感じ得ない感情。

それを表現するのは難しい。

でも伝わった。

「それでも、生きてゆく」に辿り着いた。

演技ってすごい。

マジですごい。

どのあたりがすごいのか。

常に心につっかえを感じながら普段の生活をする様。

被害者の家族はどんな状況であっても普段の生活を取り戻せない。

でも普段の生活をしていかなくてはいけない。

時は進んでいるようで止まっている。

そういう心のつっかえを我々はなかなか想像出来ない。

でも演じている。

間違いなく見ているこちらにその「つっかえ」が伝わってくるのだ。

精神的に抱えている「大きな何か」を想像させる演技なのです。

わかりますかこの感じ。

文章でも伝えるのが難しい。

それを間違いなく演じている両家族。

複雑過ぎてどんな役作りをすれば良いのかよくわからないレベルです。

でもその表情から、その仕草から感じ取れるのです。

それはまさに演技力だと思うのです。

今目の前にいるのが娘を殺した犯人だとわかった大竹しのぶの演技。

これね。

想像もつかない。

そもそも必ず復讐をすると決めていた状態がすでに想像を絶するのにも関わらず、今目の前にその復讐の相手がいると少ししてから気が付く。

この状況ってもう想像を絶する絶するなんです。

それでも伝わる。

それでも表現する。

表情だけじゃない。

もう圧倒的な精神的パニック状態なわけです。

でも騒いでしまえば逃げれられてしまう。

そういう状況に置かれた時どう考えてどう行動するのか。

自分では全くわからん。

その全くわからん状況を表現している。

絶妙に「そうなるかもしれない」と思わせてくれる演技。

役作りをする際にもそういう台本になっているのはわかるけどそれ見事に演じるのです。

なんとも言えないあの雰囲気を作り出すのは難しいどころかもはや挑戦に近いような気もする。

わからない心情を表す演技っていうのは難しいはず。

でもね。

伝わるのです。

迫真の演技です。

殺人犯だけど「兄」である事実。その妹役の満島ひかり。

犯人は兄。

それは間違いない事実。

その事実はわかっている。

でも家族が崩壊状態を何とかしたい。

だから被害者の家族に会いにいく。

自分の兄がしたことを認めつつも何とかしなくてはいけないという間にいる。

兄が何を考え、どうしてこうなってしまったのか。

強く前に進もうとする。

瑛太演じる被害者の兄と会って、実際に話をするという決断をしたがその心情も計り知れないプレッシャーの中、自分が正しい事をしているのかもわからない状態。

その何とも言えない戸惑いを表現する。

満島ひかりはちょっと得意分野な気がする。

もちろん演技力はピカイチなんですけどね。

そもそも「それでも前に進んでやる!」みたいな演技が得意なところがありそうなので役どころとしてはぴったりなんだと思う。

それ以外に見つける方が難しいくらいドンピシャ。

それが戸惑いながら、苦悩しながら犯人である兄を最後まで「お兄ちゃん」と呼ぶ感じとか。

なんとも絶妙なのです。

ドンピシャ過ぎてあんまり違和感がないのは満島ひかりだけ。

そもそもそういう演技が得意なんじゃないかとやっぱり思う。

日常が考えられないくらい非日常になっている状態が続く家族。

犯人の家族も被害者の家族も各々の視点から描かれていくストーリーは双方とも「普通の日常なんて二度と送れない」という考え方を持っている。

 

「犯罪者と同じ扱いを受ける家族」

「二度と娘は返って来ない家族」

 

双方とも当たり前の生活が送れない。

その当たり前の生活が送れないことを理解している表情。

普段の生活を送っているように見せてはいるが、本人たちはそれを普通だとは感じていない現状。

それを取り戻そうとしても絶対に取り戻せないことはわかっている。

二度と元には戻れない。

それがわかっているけど暮らしていかなければいけない。

だから「それでも、生きてゆく」なのです。

誰も望んでいない生活を送ることを強いられているのか。

でも家族としてそれを受け入れないといけない。

誰かが助けてくれるわけでもない。

もう元には戻れない罪と命なのです。

それを抱えながら両家族が生きていく。

双方の家族が交わりながら生きていくのです。

そのきっかけを作り出すの満島ひかりが演じる犯人の妹。

絶対に交わることがあってはいけない。

そう感じる部分を持ちながら、自分の家族が前に進む為に、自分自身が前に進む為にそう決断する。

そして少しづつ双方の家族が少しだけ交わるきっかけを作る。

お互いの家族が何を抱え、どんな考えを持ち、どんな生活をしているのかを理解し始める。

そんな心情も我々は想像出来ないのです。

想像出来るはずもない事を想像させるような演技なのです。

そして当然理解し合えない想いが交わる。

圧倒的に複雑。

超絶複雑。

重い。

深い。

でも笑おうとする。

おちゃらける場面もある。

見ている側も「くすっ」と来る場面もある。

そこにいるのは瑛太が演じる同級生の犯人に妹をの命を奪われた兄。

精神的に「普通」でいられるわけがない。

復讐を誓う。

復讐を果たそうとする。

それを感じ取る犯人の妹。

止めようとする犯人の妹。

 

「止めたいのは自分お兄ちゃんだからだろ?俺の気持ちになれば止められないのはわかるはずだ。」

 

両者は交わる事なんてない。

それでも徐々に複雑に交わる。

その複雑な交わりの中でなんとも言えない「笑い」を提供してくれるのです。

しかもそれを絶妙な演技で。

テーマはシリアス。

シリアスだから出来る「笑い」を作るのです。

この感じ。

伝わらないっす。

もう観るしかないっす。

見た事があるならもう一度観るしかないっす。

我が家ではテレビはすっかり子供の持ち物となりましたが、「それでも、生きていく」は永久保存版です。

経験したことはないが、「絶対にないとは言い切れない」世界の中で「それでも、生きていく」という「想い」を表現した数少ないドラマだからです。