男が片思いをしている時の考え方。
参考になるかどうかもわからないが恋をしている自分に気が付くきっかけになるかもしれない。
むしろ恋をしていると周囲の人も気が付くきっかけになるかもしれない。
基本的に片思いというのは男にとっては恥ずかしくてしょうがない。
出来るなら気付かれたくないもの。
「好き」という感情すら少し恥ずかしい。
少年漫画しか読んでこなかった私にとってはすごく恥ずかしい事なのだ。
出来るなら気が付いてほしくないが、その気持ちも大人になった今、少し思い出したくなった。
あの時の恥ずかしい思いを心にしまっておくのはもったいない。
年齢が違う誰かの経験なんてなかなか話をする機会もない。
男の片思いがどれだけ不器用で恥ずかしいものか紹介したい。
男が片思いをした時の頭の中。
それが本当に恥ずかしいかどうかは置いておいて、片思いをしている時に思う事をまとめておこう。
男の片思いなどなかなか口に出して言えるものではない。
例え質問をされても恥ずかしくて答えられないだろう。
だから文章にするくらいにしか出来ないのかもしれない。
同じ名前に反応する。
片思いをしている最中は大好きな人の名前そのものの価値が急上昇している。
もし同じ名前が普段の生活や街中、文章、テレビなどで出てくるようならその部分だけがキラキラしている。
最高の輝きを放っている。
これを私はダイヤモンドネームと呼んでいる。
片思いをしている人の名前はダイヤモンドネームになる。
自分の中で今は「永遠の輝き」のように感じている。
実に恥ずかしい現象。
だがこれは誰しも経験をしたことがあるのではないだろうか。
片思いをしている相手の名前を見たり聞いたりしただけでなぜかその人を想像してしまう。
男だけではないのかもしれない。
もしかしたら女性も同じような考え方なのかもしれない。
でも男同士でこんな話はしたことがない。
片思いの最中であれば猶更こんな話は出来ない。
片思いの相手がいる事実を伝えることは相手に弱点を晒すような行為だ。
男同士で弱点をさらけ出すなどは出来なかった。
だからなるべく言わない。
弱点を晒さない。
どうしても話をする時もある。
気持ちをわかってほしいと思う事もあるからだ。
本当に心から信頼出来る男にしか話さない。
協力してくれるだろう男にしか相談はしない。
その協力者も同じ人が好きだったことが判明。
そんな経験がある男もいるだろう。
もし、そうなったら。
決闘しかない。
譲るつもりはない。
協力者だと思って相談したら敵だった。
動揺と共に旋律が走る。
戦いの火蓋は切られた。
やるしかない。
ここから一進一退の戦いが始まる。
それが男の片思いだ。
自分が意識されているような気になる。
ライバルの存在もあるが自分が大好きな人から見られているような気になる。
それがなんと「ほんの少しだけ目が合った」だけで。
その瞬間のときめきだけでずっと自分を意識しているものと勘違いする。
ほんの1秒。それに満たないかもしれない。
その時間でまるで自分を意識しているように感じる。
実にイタイ奴になる。
自意識過剰もいいところだ。
その数分後にライバルと対峙しようものなら「俺の事見てたぞ。」と先制攻撃を仕掛けるだろう。
目が合っただけでスターを取ったかのような無敵状態になる。
ライバルをこれで蹴散らしたと思い込む。
目が合ったくらいで「自分の事を見ている。俺最強。」とわけがわからない連想ゲームを始める。
今夜は晩飯がうまい。
目が合ったという事実だけでメシウマなのである。
めでたい野郎である。
目が合っただけだ。
普段の生活の中で目が合う瞬間など結構ある。
というよりも話をするなら必ず一度は目がある。
それなのに話もしないでたまたま振り返り際に目があった程度。
それで天下を取った気になる。
男の片思いは本当にイタイの連続である。
あからさまにテンションが上がる。
目が合っただけで相当テンションは上がるのだが、そんなのは序の口だ。
もし話が出来たのならそのテンションは天井を突き抜けるだろう。
世界が平和になったんじゃないかと勘違いするほどになる。
どんな話をしたのかなんてどうでもいいのだ。
何かを話した。
言葉を交換したという事実が世界平和を願う気持ちと同等なのだ。
そのくらいに心の曇りは晴れ、次第に自分が幸福感に包まれる。
単純にテンションが上がっている状態だ。
その状態でスポーツテストを迎えようものなら自己最高記録を全種目で叩き出せるくらいにテンションが高い。
もはやドーピングだと思われるだろう。
更に何かの拍子に片思いをしている人に触れたとしよう。
こうなると急に虚無感にさらされる。
テンションが上がるのではない。
考え込んで急にがた落ちする。
何を考えているのか。
「付き合ったとしたら…。」だ。
一瞬何かの突発的な事故のように触れたとしても、その後を想像するのだ。
これまでは完全に片思いとして相手を見ていたからそんな事を考えた事はなかったのだ。
だが一瞬触れたことでその後の事を想像しなくてはいけなくなった。
この時に片思いが両想いになった時のパターンを考えている。
こうなるとおめでたい奴どころではない。
少し病的に感じられるだろう。
恐怖すら感じるだろう。
だが想像しているだけなのだ。
別に何かをするわけではないのだ。
今は想像をする時間に没頭している。
だからテンションが急に落ちる。
未開の自分と向き合っているのである。
告白の先にいる自分に現状の自分が追い付かない状態。
大丈夫だ。
すぐに戻って来るだろう。
軽い幽体離脱のようなものだと考えてほしい。
むしろアホになっていると思ってほしい。
男の片思いなど90パーセントが思い込みで作られている。
出来るなら夢でも会いたい。
ロマンチックな話だが夢でも会えたらと考えている。
相手を想う気持ちが強すぎてうまくコミュニケーションが取れない。
なかなか気持ちを伝えることが出来ない。
自分の事をどう思っているのかもわからない。
だからこそ夢で会いたいのだ。
夢でシュミレーションをしたいのだ。
しかし自分の潜在的な恐れからか夢の中だと高い確率でライバルに奪われるか、フラれる。
夢でも会いたいと考えてはいるが夢に限ってうまくいかないのだ。
そんな夢を見た朝は気分が悪い。
別に誰も何もしていないのはわかってはいるが気分が悪いのだ。
あまりに壮絶なフラれ方をすると朝飯が喉を通らない。
夢の中での痛恨の一撃を見事に現実で引きずる。
恥ずかしい限りだ。
一時的にだが夢の中でフラれたりするとちょっと諦めようかなという気持ちになる。
男は実に単純だ。
その後、もし片思いの相手が視界に入ればすぐに「好きだ。」という気持ちを取り戻す。
男は実に単純だ。
実際に話が出来たりすると今夜も夢で会いたいとすら思う。
男は実に単純だ。
想像が果てしない。
男は片思いをすると相手との様々な事を想像する。
数々のシチュエーションを想像する。
その想像があるからこそ今日という一日を頑張る事が出来る。
まだ告白もしていない相手との今後を想像して胸を躍らせるわけである。
そして果てしない想像と共に現実とのギャップをいかに埋めていくか考えるのである。
いわばドリームである。
片思いの人との今後を想像することでそこへ向かう努力をする。
男は片思いに支えられていると言っても過言ではない。
男は想像に支えられていると言っても過言ではない。
その想像通りにいかに自分を高めていけるかが問題なのである。
ドリームを掴む為に努力する。
片思いの相手が理想であればある程その力は大きくなる。
響きだけを重視するのであれば男には常に夢がある。
響きを重視しないのであればシンプルである。
つまり単細胞ということだ。
寝る、食べる、恋をする。
くらい大切な事なのかもしれない。
本当は男の方がよっぽど乙女なのかもしれない。
男もキュンとする。
胸キュンという言葉は男として恥ずかしい存在である。
その言葉を口に出してしまえば急に弱弱しく感じるからである。
ただ胸キュンはする。
片思いの相手を想像してキュンとする。
片思いの相手といる時にキュンとする。
話すとキュンとする。
もはや乙女である。
だがキュンという表現が男を弱くする。
新しい表現が必要である。
それはキュンではない。
男はキュンという表現を好まないのだ。
だから私たちの間ではこう名付けた。
「胸狩り」だ。
心を狩られてしまったような感覚があるとして胸狩りと名付けた。
くだらない事かもしれないが男らしくありたいのだ。
だから胸狩りと名付けた。
本当はただ胸がキュンとしているだけである。
噂に惑わされる。
片思いの最中、男はたくさんの噂に翻弄される。
「その人は○○君のことが好きらしい。」
「この間○○君と仲良く話していた。」
「○○君との噂があるらしいよ。」
そういう噂レベルに超敏感に反応している。
もちろん顔には出さない。
それでも翻弄されているのだ。
そしてそういった噂を持ち込むのは常に女性。
男は女性に翻弄させられる生き物なのである。
本当かどうかを確かめる術がないような噂にも心を強く打ちぬかれる。
その噂を信じてしまうのである。
いとも簡単に。
実に男らしい一面である。
女性の事をすぐに信じてしまう。
それが男なのだ。
片思いの人が言うことであればほぼ100パーセント信じるであろう。
さらにその人を絡めた噂なのだ。
どうしても信じてしまうわけである。
男らしく信じるのである。
あれだけ様々な部分で乙女チックな一面を見せつつも、片思いの相手の噂となると胸をぶち抜かれるような感覚を覚える。
しかし、その噂が自分にとって良い噂だったら。
自分の事が好きらしい。
そんな良い噂だったらどうだろう。
急に自信が出てくる。
まるで自分が正解の英雄になったかのような自信にがみなぎってくる。
今ならスズメバチに刺されても動揺しないくらいの穏やか過ぎる気持ちになる。
心が穏やかになるのだ。
そして一人になるとニヤける。
トイレに籠ってニヤける。
食事をしている時にニヤける。
寝る前にニヤけるのだ。
ニヒルな感じでニヤける。
そして心の中で「だろうね。」と思う。
ライバルも許せる。
「別に好きなら好きでいるがいいさ。」と寛大な気持ちになる。
噂レベルの事で。
男は恋に対してすごく単純だ。
そして常に恋に対してのレベルが低いのだ。
男が片思いの経験を経て手にするもの。
レベルが低い男の片思いだが、その経験を経て手にするものもある。
夢と希望と未練。
男なんていうのは夢と希望があれば十分だ。
片思いに敗れても新たな夢や希望や片思いがあればいい。
どうせそれでも引きずるのだ。
男というものは未練を残す。
そういうものなのだ。
だとしたらまとめて夢と希望を持つことで帳消しにするしかない。
残念だがそれが男なのだ。
不器用なままでいいと思う。
片思いなんざこれからたくさんするであろう。
それを叶えたところでまた新しい夢と希望が必要になる。
男は思いっきり単純明解で構わない。
アホでも夢と希望と未練でいっぱいなのだ。
男という生き物。
男は恋をすることで男を知る。
女性の事はたぶんずっと理解出来ずにいるものだと思う。
理解しようとして過去の片思いを引っ張り出し、それについて考えても無駄だ。
「好き」という気持ちに一直線にしか進めない。
だから過去の片思いについて悩み、対策を考えるのは無意味だ。
そんな対策を考えたところで次の相手に応用出来ると思わない方がいい。
叶わなった恋があり叶った恋があるだけ。
それだけでいいのだ。
単細胞のクセに色々と作戦を考えるのはやめるといい。
相手が好きかどうか以外は問題ではない。
どうせ考えても答えは見つからないのだ。
それは私たちが男だからだ。
女性を敬い、自分なりに精いっぱい愛情を注ぐしかわからない。
アホでいい。
夢と希望を持っていればいいのだ。
どうせ男の片思いは好きという気持ちしかわからない。
どんなに考えても相手が好きという理由以外に説明がつかないのだ。
目で追ってしまう事も。
胸が締め付けられる思いも。
噂に翻弄されることも。
テンションが上がったり下がったりするのも。
全て好きだからという理由。
それだけだ。
どうしてもシンプルに考えてしまう。
でもそれが男なのだ。
今回わかったのは相手のことが好きだという気持ち。
それがどうしてなのかわからないが、様々な部分に惹かれ、好きになった。
好きになったという事は…。
めんどくさいことを考えるのはよそう。
片思いをして得たこと。
それは好きという気持ち。
それ以外になんもない。
男なんていつも空っぽ。
それが男の片思い。
男らしい程にめでたい野郎でいいじゃないか。
どうか感想をください。